2017年12月16日土曜日

中国という国

今日は中国という国について、誤解を恐れず、一刀両断に解釈してみようと思う。中国・北京には2012年12月、2014年9月、2015年7月にそれぞれ1週間ずつ滞在した。2016年7月には重慶を2週間訪れた。一言でいえば、中国は「本来」西洋と東洋の文化を融合できる国である。

2012年に北京の故宮を訪れた。正面の帝座はまるで古代ローマのような立派な石造り。ところが、皇帝が私生活を送る奥の間に進むと、木造の色合いが濃くなり、京都・奈良を彷彿とさせる。これは、古代ローマと古代京都・奈良の良いところを見事に組み合わせた、まさに「中華」だと感じた。


北京・故宮
Source) Google Images

ローマには2008年か2009年に訪れたことがあるが、ローマ市内の史跡のあちらこちらに横たわる巨大な石を見て、僕はガッカリした。石が風化するとまるで風情がない。石から古代の空気を感じないのである。ただ、コロッセウムを見て、石造りは力強さの象徴なのかもしれないと思った。

京都・奈良には長年住んでいたこともあり、寺社の木々が僕にはしっくりくる。木造建築には木の呼吸を感じる。京都・奈良の寺社は関東のものとも違う。関東は日光東照宮にせよ浅草寺にせよカラフル。歴史が浅いからかもしれない。木造建築の周りに生木がバランスよく植えてあるのも心地よい。

北京の故宮にはローマ帝国の男性美と平安・平城朝の女性美の見事なハーモニーを感じる。この目で中国を見直すと、本来、西洋・東洋文化の調和を図ることのできる国だと思う。が、文化大革命以降の倫理観の希薄な中国人に出会うと残念でならない。倫理観の回復には何世代かかるのだろう?

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