キャンベラにはいくつか博物館があります。その中でも特に訪れるべき場所として、オーストラリア戦争記念館をニュージーランドからの友人が勧めてくれました。二年間の大学院生活を終え、11月22日に記念館を訪れることができました。
記念館の入館料は無料で、展示物は大きく第一次世界大戦と第二次世界大戦のコーナーに分かれています。僕は第一次大戦コーナーを足早に観て、第二次大戦の日本軍についての展示と記述を重点的に観ました。
日本軍がオーストラリア大陸を攻撃していたことを僕は知りませんでした。ダーウィンという豪州北部の都市を爆撃していたんですね。パプアニューギニア等の南太平洋諸国への攻撃も含め、日本軍の攻撃範囲の広さには驚きます。
オーストラリアにとって、ヨーロッパにおけるナチスドイツよりも太平洋における日本軍の方が直接的脅威だったと思うのですが、記念館の展示と記述は非常に客観的なものになっているように思いました。
日本軍の残虐行為よりナチスの大虐殺が取り上げられています。また、日本への原爆投下には議論の余地があると言及しています。原爆は日本の多くの一般市民を犠牲にした一方、原爆がなければ太平洋諸国のさらに多くの一般市民が犠牲になったかもしれないと。
オーストラリア戦争記念館
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日本を含めた北半球のアジアの大国はオーストラリアの国家安全保障上の潜在的脅威なのだなぁと感じました。また、豪州が東南アジアや南太平洋の国々の発展に協力する理由の一つは豪州の国防に資するからだなぁとも感じました。
キャンベラに行くことがあれば、この記念館をぜひ訪れてみてください。
今朝、第4セメスターの成績が発表され、僕の二年間の最終成績が確定しました。第4セメスターは3HDと1Dで、4セメスター累計では12HDと4D、GPAは豪州基準で6.75、米国基準で3.83となりました。僕はこの結果に満足しています。
日本の大学院を卒業した方には、この成績の意味をあまりわかってもらえないかもしれませんが、欧米の大学院で学ばれた方には理解していただけると思います。おそらくインターナショナルスチューデントとしては最高レベルの成績でしょう。
実は僕は日本でも修士号を持っています。日本と豪州のGPAはあまり変わらないのですが、豪州での修士号を取得するために費やした時間と気力は日本の数十倍以上です。米国を含めて、約8000時間を経済学の学習に注ぎ込みました。
周りを見渡しても、日本で落第はほとんどないのですが、豪州では少なからず落第や自主退学の同級生がいます。また、かなり努力している学生でも、HDを取るのは本当に難しい。手応えがあってもHDかDかは成績発表までわかりません。
あとは卒業を待つのみですが、僕は卒業式に出席する予定はありません。キャンベラのアパートを引き払いましたので、卒業式のために飛行機代とホテル代を自己負担するのはお金と時間の無駄と考えています。
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修士論文のスーパーバイザーにお礼のメールを送り、僕のANUでの二年間は終わりです。特に自分の力が外国でどの程度通用するのかを知るのに良い期間でした。当たり前かもしれませんが、日本のビジネスパーソンは世界に通用します。
これからが僕の第二の人生のスタートです。錆びついた身体の手入れをしながら、どのように貧困問題にアプローチするか考え続けたいと思います。
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豪州で初めて歯医者に行きました。数週間前から違和感があり、26日にキャンベラから妻の住むブリスベンに移動していた際、歯の痛みと頭痛を感じたので、妻のオーストラリア人の知人に歯医者を多数紹介してもらい、そのうちの一つに決めました。
ブリスベンの Taringa にある小さな歯医者なのですが、紹介してくれた人がハイクオリティだと言っていたのと、PNG(パプアニューギニア)で三年間の勤務経験があるということを知り、おそらくアジア人の私にも全力を尽くしてくれるだろうと考えました。
結果からいうと、非常に優しく腕の良い先生でした。歯の状況は少し複雑で、問題の親不知の手前の歯がなく、その手前の手前の歯とブリッジをしていたのですが、ブリッジを手前の歯側で切断し、虫歯になっていた親不知を抜きました。
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施術時間は30–40分間で、金額は357豪ドル。学生保険にも念のため確認しましたが、やはり歯科医療は適用外でした。親不知は高額だとウェブ情報を入手していましたが、思った以上ではなかったので安心しました。何より腕が確かだったのがよかったです。
治療は1回で終了。次は親不知の手前にインプラントを考えています。昨日の歯科医は専門外と正直に言い、インプラント専門医を紹介してくれるとのことです。インプラントは日本でも保険外なので腕が確かならば高額は仕方ないなと思っています。
豪州メインで生活している以上、こちらの医療制度にも慣れなければ仕方ありません。
修士論文の提出期限が明日となり、ANU Crawford School での学生生活の終わりが見えてきました。いろいろなことを考えた二年間でした。今日は最近実感し始めた「自分の敵」について書き記しておきたいと思います。
自分の敵は自分の外にいるものだと考え、思い、感じてしまいます。他人という意味でなくても、睡眠欲・食欲・性欲に代表される本能欲も含めて自分の外側にあると感じがちなんです。留学生は一人で部屋で勉強することが多いですから、これら欲望さえ外部からの誘惑と捉えます。
しかしながら、本当の自分の敵は、恐怖感と取越苦労の二つだと思うんですよ。中村天風という先達も指摘しています。ああ寝すぎた、ああ食べすぎた、ひとりぼっちだ、授業が難しくて怖い、試験に不合格だったらどうしよう、などなど。自分の心の中に自分で生んでるんです。
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日本人が日本で暮らしていると、あまり気づかないですね。恐怖感も取越苦労もすぐに簡単に取り除くことができると思うのです。恐怖を感じたことを誰かに話せば安心させてくれますし、取越苦労に対しても確認するという手立てが何かしらあると思います。
外国で暮らしていると、この恐怖感と取越苦労に押し潰されそうになります。言語の問題もありますし、サービスに時間がかかるということもあります。うわあ失敗したぁ、と自分で自分を責めたり、こうなったらどうしよう?という妄想に近いネガティブな想像をしてしまう。
恐怖感と取越苦労。敵の正体はだいぶハッキリとしてきました。笑ってやり過ごすか、ふいといなすしかないと思います。どんなことにも執着しないことかなぁ。言葉にすると簡単ですが実際には難しい。仕事がないときも、病気になったときも同じではないかな?と思っています。
あと一日がんばろう。