オーストラリア国立大学(ANU)は国際性豊かです。Times Higher Education 2017 では、国際性で世界第7位にランキングされました。<https://www.timeshighereducation.com/features/worlds-most-international-universities-2017#> 学生だけでなく、教授や講師、スタッフも世界中から集まって来ています。大学がインターナショナルであることのメリットは、様々な国の視点で議論できることや多様な英語に触れることなどを通じて、新たな気付きやアイデアが出易いことだろうと思います。
ANU Crawford Schoolには、経済系・政治系・環境系の三つの専攻分野があります。僕は経済系ですが、2017年の第1セメスターに入学した同期の出身国を列挙してみます。同期は22か国68名です。
1. China: 24
2. Indonesia: 10
3. India: 5
4. Papua New Guinea: 4
4. Sri Lanka: 4
6. Australia: 3
7. Bhutan: 2
7. Philippines: 2
9. Cambodia, Fiji, Japan, Kiribati, Myanmar, New Zealand, Nigeria, Oman, Pakistan, Paraguay, South Africa, South Korea, UK, Zambia: 1 person for each country
先進国と途上国、奨学金受給組と自腹組などにグルーピングできるのですが、先進国出身だから優秀だとか、そういうのはあまり感じないですね。特に中国とインドからの学生は途上国出身ですけれども、奨学金をもらっていないので、良い成績を取ることに本気です。インドネシア、フィリピンは政府から来ている人が多く全般的に優秀です。
残念ながら、2017年第1セメスター同期だけでなく、Crawford School全体を見渡しても、日本人学生は僕だけです。事務スタッフに日本人が一人いると聞いたのですが、まだ会ったことがありません。世界人口70億人のうち、日本人は1.2億人。2%弱ですね。マイノリティーであることを実感しつつ、偏った人たちとばかり付き合うのではなく、様々な国籍の人たちと付き合うように努めています。
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ANU Crawford School (経済系) 第1セメスター時間割
オーストラリアでの最初の5か月
入学と卒業
2017年6月16日金曜日
2017年6月15日木曜日
首都キャンベラの暮らし
いま僕はオーストラリアの首都キャンベラに住んでいます。首都と言っても小さな町と言った方が適切かもしれません。キャンベラは、アメリカのワシントンDCと同様、政治・行政的機能のみを有し、商業的機能を持たない町なんです。治安は非常にいいですよ。大通りであれば夜中でも女性が一人で歩けます。
僕はキャンベラ中心部(Civicと呼びます)とANUの間に住んでいます。CivicとANUは隣接していますので、かなりの都会に住んでいることになります。一般の人が買い物をするキャンベラセンターまで歩いて10分、ANUの学生が買い物をするUnion Courtまで歩いて5分、非常に便利です。24時間オープンのChifley図書館にも歩いて5分です。
キャンベラセンターは大型ショッピングモールで、キャンベラで入手できる全てのものがここに集結しています。Targetのようなスーパーマーケットも入っていますし、G-Starのようなブランド衣服店、Appleストア、多国籍のレストランも多くあります。
ANUのUnion Courtには、生協、銀行、学生向けレストラン、中古自転車販売店、文房具などを販売するコンビニエンスストアがあります。でも残念なことに、夏休みや冬休みは休業になるんですよね。Union Courtだけでなく、ANU周辺のほとんどのレストランも休みの間は休業します。
Chifley図書館には大変お世話になっています。一日に2回行くことも珍しくありません。夕食前と夕食後です。画面サイズの大きなデスクトップコンピュータが多く設置されていますので、大量の電子書籍・論文を読む必要のあるエッセイを書く際などには特に便利です。
キャンベラは、シドニー、メルボルン、ブリスベンなどの商業都市に比べ、小さな町です。シドニーに住んでいた友人は「キャンベラには何もない」と言いますけれども、逆に「足りないものも何もない」のです。キャンベラセンター、Union Court、Chifley図書館があれば、二年間の大学院生活には十分です。ただし、様々な経験をすべき20代の若者にはあまりオススメの町ではありません。ここキャンベラは本当にストイックに勉強だけをする場所なのです。
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キャンベラの朝メシ
キャンベラの食事情
キャンベラの韓国料理店のウェイター
大型スーパー「Coles」とコンビニでの買い物
「SumoSalad」ANU店
キャンベラ随一のカフェ「greenhouse」
「Sushi Sushi」キャンベラセンター店
キャンベラの中華レストラン「Golden Drum」
僕はキャンベラ中心部(Civicと呼びます)とANUの間に住んでいます。CivicとANUは隣接していますので、かなりの都会に住んでいることになります。一般の人が買い物をするキャンベラセンターまで歩いて10分、ANUの学生が買い物をするUnion Courtまで歩いて5分、非常に便利です。24時間オープンのChifley図書館にも歩いて5分です。
キャンベラセンターは大型ショッピングモールで、キャンベラで入手できる全てのものがここに集結しています。Targetのようなスーパーマーケットも入っていますし、G-Starのようなブランド衣服店、Appleストア、多国籍のレストランも多くあります。
ANUのUnion Courtには、生協、銀行、学生向けレストラン、中古自転車販売店、文房具などを販売するコンビニエンスストアがあります。でも残念なことに、夏休みや冬休みは休業になるんですよね。Union Courtだけでなく、ANU周辺のほとんどのレストランも休みの間は休業します。
Chifley図書館には大変お世話になっています。一日に2回行くことも珍しくありません。夕食前と夕食後です。画面サイズの大きなデスクトップコンピュータが多く設置されていますので、大量の電子書籍・論文を読む必要のあるエッセイを書く際などには特に便利です。
キャンベラは、シドニー、メルボルン、ブリスベンなどの商業都市に比べ、小さな町です。シドニーに住んでいた友人は「キャンベラには何もない」と言いますけれども、逆に「足りないものも何もない」のです。キャンベラセンター、Union Court、Chifley図書館があれば、二年間の大学院生活には十分です。ただし、様々な経験をすべき20代の若者にはあまりオススメの町ではありません。ここキャンベラは本当にストイックに勉強だけをする場所なのです。
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2017年6月14日水曜日
豪・米・英への大学院留学の違い
もう随分前になりますけれども、豪・米・英のどの国に留学するか迷った時期がありました。世界的に有名な大学は、米・英にありますよね。これに反して僕が豪州に留学を決めた要因は三つあります。英語テストや推薦状などの入学前の要求水準の低さ、卒業後の滞在継続可能性の大きさ、豪大学院の主な研究対象諸国がアジア・太平洋地域であり自身の関心領域と一致していることです。
オーストラリアの大学院のIELTS要求スコアは6.5以上と低く、日本の大学の先生や仕事先の上司の推薦状も不要です。アメリカの有名大学院はTOEFL100以上に加えGREも必要ですし、もちろん、アカデミック・ビジネスの推薦状も必要です。イギリスは有名大学院になるとIELTSスコアを7.5以上要求してきますし、推薦状も必要です。アラフォーで脱サラの僕が海外の大学院を受験するには、オーストラリアの大学院が最も現実的な選択肢だったわけです。
また大学院卒業後、大きな声では言えませんが、オーストラリアで仕事をみつけたいと考えています。オーストラリアは2年間の大学院在籍後、さらに2年間の滞在ビザをもらうことができます。イギリスは卒業後、すぐに日本に戻らないといけないと聞きました。アメリカは1年間の就職準備ビザをもらえるそうですが、就業ビザを取得することが非常に難しいと聞いています。オーストラリアは人口が少ないためか、移民に寛容です。一方、イギリスやアメリカはテロ対策もあり、今後いっそう長期滞在ビザの取得が難しくなると思われます。
さらにオーストラリアの大学院はアジア・太平洋地域の国々を研究対象としています。イギリスの大学院はアフリカ・中東地域、アメリカの大学院は中南米地域をカバーしています。これは、僕の研究関心領域である開発経済学だけでなく、途上国を研究する専攻において共通して言えると思います。やはり距離的・心理的に近い国々の研究を行うことが実利に適っているのでしょう。東南アジアや南アジアに特に関心のある僕にはオーストラリアの大学院が合っているように感じました。
オーストラリアのトップ大学院であるANU Crawford Schoolで半年間学んだいま、僕の選択は間違っていなかったと感じています。Crawford Schoolの教育水準は高いです。カリキュラムも一貫性を持っていて、履修科目相互の相乗効果があります。アラフォーの僕にとって、大学院の名前よりも中身と卒業後の可能性の方が大事です。20代で海外の大学院で学んで、日本に戻って日本企業に就職しようと考えている若者とは違いますから、海外留学の目的を明確に保持することがとても大事です。
なお、QS世界大学ランキング2018で、ANUは世界第20位と評価されました。<https://www.topuniversities.com/university-rankings/world-university-rankings/2018>
オーストラリアの大学院のIELTS要求スコアは6.5以上と低く、日本の大学の先生や仕事先の上司の推薦状も不要です。アメリカの有名大学院はTOEFL100以上に加えGREも必要ですし、もちろん、アカデミック・ビジネスの推薦状も必要です。イギリスは有名大学院になるとIELTSスコアを7.5以上要求してきますし、推薦状も必要です。アラフォーで脱サラの僕が海外の大学院を受験するには、オーストラリアの大学院が最も現実的な選択肢だったわけです。
また大学院卒業後、大きな声では言えませんが、オーストラリアで仕事をみつけたいと考えています。オーストラリアは2年間の大学院在籍後、さらに2年間の滞在ビザをもらうことができます。イギリスは卒業後、すぐに日本に戻らないといけないと聞きました。アメリカは1年間の就職準備ビザをもらえるそうですが、就業ビザを取得することが非常に難しいと聞いています。オーストラリアは人口が少ないためか、移民に寛容です。一方、イギリスやアメリカはテロ対策もあり、今後いっそう長期滞在ビザの取得が難しくなると思われます。
さらにオーストラリアの大学院はアジア・太平洋地域の国々を研究対象としています。イギリスの大学院はアフリカ・中東地域、アメリカの大学院は中南米地域をカバーしています。これは、僕の研究関心領域である開発経済学だけでなく、途上国を研究する専攻において共通して言えると思います。やはり距離的・心理的に近い国々の研究を行うことが実利に適っているのでしょう。東南アジアや南アジアに特に関心のある僕にはオーストラリアの大学院が合っているように感じました。
オーストラリアのトップ大学院であるANU Crawford Schoolで半年間学んだいま、僕の選択は間違っていなかったと感じています。Crawford Schoolの教育水準は高いです。カリキュラムも一貫性を持っていて、履修科目相互の相乗効果があります。アラフォーの僕にとって、大学院の名前よりも中身と卒業後の可能性の方が大事です。20代で海外の大学院で学んで、日本に戻って日本企業に就職しようと考えている若者とは違いますから、海外留学の目的を明確に保持することがとても大事です。
なお、QS世界大学ランキング2018で、ANUは世界第20位と評価されました。<https://www.topuniversities.com/university-rankings/world-university-rankings/2018>
2017年6月13日火曜日
キャンベラの朝メシ
朝メシは、毎朝散歩がてら買出しに行って食べることにしています。当初はSUBWAYでサンドウィッチを購入していましたが、最近はスーパーマーケットで焼きたてのパンとフルーツを買うようになりました。
SUBWAYのサンドウィッチは安くてボリュームがあるんです。4.5豪ドルあれば、日替わりサンドウィッチを食べることができます。4.5ドルの安さで朝食を摂れる場所は他にないですね。量もハーフサイズで日本人の僕には十分です。特にターキーはあっさり味で好みです。ミートボールもこってり味が食べたいときには頼みます。野菜も結構補えます。トマト、オニオン、オリーブ、ピクルスは欠かさず注文していました。
僕のアパートの近くのSUBWAYは、TonyとEricaが夫婦でフランチャイズ経営をしています。Tonyはオーストラリア人と日本人のハーフで、母親の名前はえりこ、奥さんの名前とよく似ていると笑って話していました。お母さんはキャンベラの日本大使館で働いているそうです。Ericaは白人のオーストラリア人で働き者です。サンドウィッチを作る手際のよさには感心させられるばかりです。もちろん、TonyとErica以外にも、アルバイトの店員もいます。
TonyとEricaとも仲良くなったんですが、3ヶ月以上ほぼ毎朝SUBWAYのサンドウィッチを食べていたら、突然、食べられなくなってしまったんです。飽きちゃったんでしょうね。
アパートの目の前にあるスーパーマーケットで、焼きたてのパンを1〜2つとリンゴ、バナナの果物を買って食べるようになりました。パンは一つ2〜3ドル、リンゴもバナナも一つ1ドルくらいです。全部で5〜7ドル程度かかって、SUBWAYよりコスト高なんですけど、東京・大阪で毎朝モーニングセットを食べている感覚ですね。ホットコーヒーとオレンジジュースはアパートで自分で注いでいます。
僕が、白人のオーストラリア人のような食生活を送ることができるか?と考えてみたら、やっぱり今更無理なんですね。SUBWAYに飽きちゃって、焼きたてパンに落ち着いたのは、日本に近い朝食スタイルに戻ったということでしょう。外国での一人暮らしは朝メシひとつにも苦労します。
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2017年6月12日月曜日
数学スキル
僕の専攻は国際開発経済学ですが、正直ここまで数学スキルを要求されるとは思っていませんでした。第1セメスターの必修4科目のうち、3科目は数学が必須です。ミクロ経済学(完全競争理論)、ミクロ経済学(不完全競争理論)、経済数学です。
ミクロ経済学(完全競争理論)は、消費者理論における効用最大化・予算最小化、生産者理論における費用最小化・利益最大化を主に扱います。ここでは、数学の微分が非常に重要です。なお、完全競争理論は、基本的に市場に任せておけば、消費者の効用最大化、生産者の利益最大化が達成され、社会の幸福が最大化されるけれども、外部性や公共財などの市場の失敗に対しては一定の政府の役割があるというものです。僕は20代のときの専攻は法学・政治学だったので、高校以来の微分にも経済学の内容理解にも苦労しました。
ミクロ経済学(不完全競争理論)は、ゲーム理論、不確実性、非対称情報、独占、寡占などを学びます。微分は必要ですが、完全競争理論ほどではありません。むしろ、難解な英語の説明・問題を理解することに苦労しました。不完全競争理論は、完全競争理論があくまで一定の前提条件に基づくものであり、ナッシュ均衡、リスク選好、情報不足、独占、寡占などにより、必ずしも社会の幸福最大化が常に達成されるとは限らないというものです。言い換えれば、市場は必ずしも効率的な結果をもたらすとは限らないということです。数学より英語の読解に苦労しました。
経済数学は、まさに数学です。静学的最適化と動学的最適化の基礎を学ぶことが大きな目的です。上記の二つのミクロ経済学は静学的最適化の問題です。経済数学では、動学的最適化の基本も学びました。動学では微分に加え積分も必要になってきます。消費者も生産者も長期的な視野での効用・利益の最大化を図るため、動学的均衡が重要となるということです。この動学的均衡については、最初はなんのことかさっぱりわかりませんでしたけれども、ファイナルテストの頃にはなんとか理解できるようになりました。
経済学を大学院レベルで学ぶためには数学は必須といえるでしょう。避けて通れません。僕は高校時代から数学は嫌いでしたけれども、成績は良かったんです。微分・積分なんてすっかり忘れていましたけれども、次第に思い出しました。日本の高等学校の教育水準の高さに感謝するばかりです。
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開発経済学の最重要課題:「Institutions (制度・慣行)」
計量経済学の共同アサインメント
ミクロ経済学(完全競争理論)は、消費者理論における効用最大化・予算最小化、生産者理論における費用最小化・利益最大化を主に扱います。ここでは、数学の微分が非常に重要です。なお、完全競争理論は、基本的に市場に任せておけば、消費者の効用最大化、生産者の利益最大化が達成され、社会の幸福が最大化されるけれども、外部性や公共財などの市場の失敗に対しては一定の政府の役割があるというものです。僕は20代のときの専攻は法学・政治学だったので、高校以来の微分にも経済学の内容理解にも苦労しました。
ミクロ経済学(不完全競争理論)は、ゲーム理論、不確実性、非対称情報、独占、寡占などを学びます。微分は必要ですが、完全競争理論ほどではありません。むしろ、難解な英語の説明・問題を理解することに苦労しました。不完全競争理論は、完全競争理論があくまで一定の前提条件に基づくものであり、ナッシュ均衡、リスク選好、情報不足、独占、寡占などにより、必ずしも社会の幸福最大化が常に達成されるとは限らないというものです。言い換えれば、市場は必ずしも効率的な結果をもたらすとは限らないということです。数学より英語の読解に苦労しました。
経済数学は、まさに数学です。静学的最適化と動学的最適化の基礎を学ぶことが大きな目的です。上記の二つのミクロ経済学は静学的最適化の問題です。経済数学では、動学的最適化の基本も学びました。動学では微分に加え積分も必要になってきます。消費者も生産者も長期的な視野での効用・利益の最大化を図るため、動学的均衡が重要となるということです。この動学的均衡については、最初はなんのことかさっぱりわかりませんでしたけれども、ファイナルテストの頃にはなんとか理解できるようになりました。
経済学を大学院レベルで学ぶためには数学は必須といえるでしょう。避けて通れません。僕は高校時代から数学は嫌いでしたけれども、成績は良かったんです。微分・積分なんてすっかり忘れていましたけれども、次第に思い出しました。日本の高等学校の教育水準の高さに感謝するばかりです。
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2017年6月11日日曜日
社会科学と人文科学の引用方法の違い
今日はちょっとマニアックなアカデミックライティングの用法についてコメントしたいと思います。社会科学と人文科学の引用方法の違いです。
人文科学では、先行文献を引用する際、 「The author states, “… .”」などと直接的に引用することが好ましいとされています。先行文献の表現をそのまま活かそうとするんですね。僕のコミカレの英語の先生がデューク大学文学部出身で、このように指導されました。ジャーナリズムもこれに近いですね。
一方、政治、経済、法律などの社会科学では、直接的ではなく、間接的に引用することが好ましいとされています。「The author describes that …」などとパラフレーズを用いて自分の解釈として表現し直すんですね。ANUにはアカデミックライティングを指導する専門の教官がいるのですが、僕がお世話になっている哲学のPhDホルダーが教えてくれました。
社会科学か人文科学か、専攻によってもスタイルが違うんだなぁ、とアカデミックライティングの奥の深さを実感しています。
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アカデミックライティング (1)
アカデミックライティング (2)
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2017年6月10日土曜日
ビバレッジ先生
ノースカロライナのコミカレ生活で、ビバレッジ先生との出会いについて触れない訳にはいきません。年齢は50代半ばでしょうか?ビバレッジ先生には、2016年秋セメスターで、ミクロ・マクロ経済学の両方を教えていただきました。この先生の講義がなければ、僕のANUでの勉強はもっと大変だったでしょう。先生との出会いに感謝しています。
ビバレッジ先生はスコットランド出身ですが、奥さまがアメリカ人なので、渡米しました。もうアメリカでの生活は何十年になるそうです。本当かどうかわかりませんが、今ではパスポートの更新もしていない、と講義中に話していました。まあ、ダラムのようなアメリカの片田舎では、それでもやっていけるだろうと僕も変に納得していました。
彼の講義スタイルは学生を巻き込むとても楽しいものでした。例えば、機会費用の説明において、彼は二種類のチョコレートを手にし、学生に「どちらを選ぶか?」と尋ねます。一つのチョコレートを選んだ学生に、選ばなかったもう一つのチョコレート、これが機会費用だと説明するのです。数学を使わないで経済学の本質を学ぶことができました。
彼の採点方式も興味深いものでした。100点満点のテストなのですが、得点の平方根を10倍して最終得点を計算するのです。例えば、64点の学生は、√64*10=80点となるのです。授業・テストには容赦なく厳しいですが、評価には寛大な先生でした。
先生は二冊の教科書を出版しています。"A Primer on Microeconomics"と"A Primer on Macroeconomics"です。とてもわかりやすい著書です。僕は日本で経済学を独学した経験があるのですが、日本語のテキストを読むよりも、ビバレッジ先生の英語での説明を読む方が数十倍わかりやすいです。残念ながら、現在、日本でこの本を入手することは難しいと思います。この本の翻訳を出版することは僕の夢の一つです。
ビバレッジ先生はアメリカで何十年と過ごしていますが、未だにアメリカが故郷だという感覚はないそうです。パスポートも切れていますし、スコットランドに戻る機会はおそらくないでしょう。せめて、先生もスコッチウィスキーをゆっくり愉しむ時間があればいいのになあと思っています。
ビバレッジ先生はスコットランド出身ですが、奥さまがアメリカ人なので、渡米しました。もうアメリカでの生活は何十年になるそうです。本当かどうかわかりませんが、今ではパスポートの更新もしていない、と講義中に話していました。まあ、ダラムのようなアメリカの片田舎では、それでもやっていけるだろうと僕も変に納得していました。
彼の講義スタイルは学生を巻き込むとても楽しいものでした。例えば、機会費用の説明において、彼は二種類のチョコレートを手にし、学生に「どちらを選ぶか?」と尋ねます。一つのチョコレートを選んだ学生に、選ばなかったもう一つのチョコレート、これが機会費用だと説明するのです。数学を使わないで経済学の本質を学ぶことができました。
彼の採点方式も興味深いものでした。100点満点のテストなのですが、得点の平方根を10倍して最終得点を計算するのです。例えば、64点の学生は、√64*10=80点となるのです。授業・テストには容赦なく厳しいですが、評価には寛大な先生でした。
先生は二冊の教科書を出版しています。"A Primer on Microeconomics"と"A Primer on Macroeconomics"です。とてもわかりやすい著書です。僕は日本で経済学を独学した経験があるのですが、日本語のテキストを読むよりも、ビバレッジ先生の英語での説明を読む方が数十倍わかりやすいです。残念ながら、現在、日本でこの本を入手することは難しいと思います。この本の翻訳を出版することは僕の夢の一つです。
ビバレッジ先生はアメリカで何十年と過ごしていますが、未だにアメリカが故郷だという感覚はないそうです。パスポートも切れていますし、スコットランドに戻る機会はおそらくないでしょう。せめて、先生もスコッチウィスキーをゆっくり愉しむ時間があればいいのになあと思っています。
2017年6月9日金曜日
ジャーナリズム
話は前後するのですが、アメリカのコミカレで学んだジャーナリズムに関してコメントしたいと思います。ジャーナリストになるつもりはないんですけど、今後の人生において、大いに役立つと思いました。
アメリカでジャーナリズムを専攻して一番良かったことは、事実を客観的に語ることは非常に難しいと実感したことです。インタビューの内容は、誰かが語ったという意味において事実なのですが、自分がそれを文字にしようとするときに、どうしても何らかの意味・解釈を足してしまおうとしてしまうんです。ジャーナリズムの醍醐味ではないかと思いますが、事実だけを繋ぎ合わせて何か意味のあることを示唆するというのは、非常に難しいです。けど面白いですね。
二番目に良かったことは、誰かにインタビューすることに気後れしなくなったことです。アメリカはおろか、日本でもインタビューなんて経験したことがなかったのですが、ジャーナリズムの授業を通じて、英語でインタビューを行う機会が数回ありました。レコーダーとメモ用紙を持参して、スコットランドから来た先生、中国から来ている同級生などにインタビューを行いました。インタビューは他人の時間をもらうので、緊張しますし準備をします。
最後に、ジャーナリズムを専攻したことで、ライティングスキルが上がったと思います。文字数が非常に限られているジャーナリズムでは基本的に本文には形容詞、副詞はつけません。ライティングスタイルがたくさんあることも知りました。僕の先生はAPスタイルを採用していました。日本でもよく知られているAP通信ですね。ジャーナリズムのライティングスタイルはアカデミックライティングとは異なります。例えば、ジャーナリズムでは一段落に二人の発言を同時に載せません。でも、基本的な構造は同じなんですね。イントロ、ボディ、コンクルージョン。ボディは、リスティング、時系列、比較対照、原因結果、のいずれかで繋いでゆく。
僕のジャーナリズムの最終課題のタイトルは"Chinese Students Diffrentiate Themselves from Americans, Admitting the US Education."で、トランプ氏が新大統領に決まったタイミングでもあり好評でした。
使ったテキスト類も記載しておきます。
Harrower, T. (2012). Inside Reporting: A Practical Guide to the Craft of Journalism (3rd ed.). New York, NY: McGraw-Hill Education.
Associated Press Stylebook and Briefing on Media Law. 2015
APスタイルブックはオーストラリアに持って来ています。曜日や時間、肩書などなど、今でも時々、参考にしています。ちょっと古いですけど、2006年版がオンラインで無料入手できますので、URLを添付しておきます。英語の細かい表現方法で迷った方は一つの型としてご活用ください。
<http://www.mdjwebcontent.com/tj/2006_APSTYLEBOOK.pdf>
アメリカでジャーナリズムを専攻して一番良かったことは、事実を客観的に語ることは非常に難しいと実感したことです。インタビューの内容は、誰かが語ったという意味において事実なのですが、自分がそれを文字にしようとするときに、どうしても何らかの意味・解釈を足してしまおうとしてしまうんです。ジャーナリズムの醍醐味ではないかと思いますが、事実だけを繋ぎ合わせて何か意味のあることを示唆するというのは、非常に難しいです。けど面白いですね。
二番目に良かったことは、誰かにインタビューすることに気後れしなくなったことです。アメリカはおろか、日本でもインタビューなんて経験したことがなかったのですが、ジャーナリズムの授業を通じて、英語でインタビューを行う機会が数回ありました。レコーダーとメモ用紙を持参して、スコットランドから来た先生、中国から来ている同級生などにインタビューを行いました。インタビューは他人の時間をもらうので、緊張しますし準備をします。
最後に、ジャーナリズムを専攻したことで、ライティングスキルが上がったと思います。文字数が非常に限られているジャーナリズムでは基本的に本文には形容詞、副詞はつけません。ライティングスタイルがたくさんあることも知りました。僕の先生はAPスタイルを採用していました。日本でもよく知られているAP通信ですね。ジャーナリズムのライティングスタイルはアカデミックライティングとは異なります。例えば、ジャーナリズムでは一段落に二人の発言を同時に載せません。でも、基本的な構造は同じなんですね。イントロ、ボディ、コンクルージョン。ボディは、リスティング、時系列、比較対照、原因結果、のいずれかで繋いでゆく。
僕のジャーナリズムの最終課題のタイトルは"Chinese Students Diffrentiate Themselves from Americans, Admitting the US Education."で、トランプ氏が新大統領に決まったタイミングでもあり好評でした。
Harrower, T. (2012). Inside Reporting: A Practical Guide to the Craft of Journalism (3rd ed.). New York, NY: McGraw-Hill Education.
Associated Press Stylebook and Briefing on Media Law. 2015
APスタイルブックはオーストラリアに持って来ています。曜日や時間、肩書などなど、今でも時々、参考にしています。ちょっと古いですけど、2006年版がオンラインで無料入手できますので、URLを添付しておきます。英語の細かい表現方法で迷った方は一つの型としてご活用ください。
<http://www.mdjwebcontent.com/tj/2006_APSTYLEBOOK.pdf>
2017年6月8日木曜日
オーストラリアでの最初の5か月
オーストラリアに来てちょうど5か月が経ちました。ANUでの勉強は予想以上に大変で、ブログのアップデートもろくにできませんでした。今日、やっと第1セメスターのテストが全て終わりました。明日から冬休みです。この間に、今までに起こったことをボチボチ書いてみたいと思います。
第1セメスターは2月20日に始まり、4月3日から2週間のティーチングブレイクを挟んで、5月26日まで12週間のプログラム、そのあと、6月8日まではファイナルテスト期間でした。経済数学、ミクロ経済学(完全競争理論)、ミクロ経済学(ゲーム理論等不完全競争理論)、開発経済学理論、の計4科目を履修しました。最初はそれほど大変でもなかったのですが、徐々にクイズや中間テストが加わり、必死で勉強せざるを得ませんでした。
ANU Crawford School以外の海外大学院を知りませんが、PSPの数学・ミクロ経済学と第1セメスターの必修4科目の全てがお互いに関連していて、6月のファイナルの頃には、それぞれの科目の知識が他の科目の理解に役立つという良いカリキュラムだったと思います。 ちなみにCrawford Schoolは、経済学、政治学、環境学の3分野の専攻があり、2017年2月開始のクラスメイトは51か国約120人です。ただし、クラスメイトと言っても、1年、1年半、2年のプログラムと異なる期間の修士課程プログラムを選択しますので、履修科目は人によってバラバラです。これはオーストラリア大学院の特徴ではないでしょうか?日本人は修士・博士課程の生徒の中で僕一人だけです。
この5か月、英語に加え、数学にも大変苦労しましたが、新しい友人の助けもあり、なんとか乗り切りました。
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2017年5月15日月曜日
アカデミックライティング (2)
アカデミックライティングの続きについてご説明します。ボディの基本的な構造です。”パラグラフィング”とも呼びます。アカデミックエッセイにおいて、一つの段落は、トピックセンテンス、エビデンス、アナリシス、カウンターアーギュメント、リバトル、コンクルーシブセンテンスから成り立ちます。
トピックセンテンスは、シーシスを支える書き手のアイデアです。常にパラグラフの一行目に来ると言っても過言ではないでしょう。なぜ自分の主張 (シーシス)が正しいのかを伝える、エッセイの柱となる非常に重要な一行です。エッセイを読んでもらうためには、シーシスとトピックセンテンスによって、自分の主張を論理的に伝える必要があります。
エビデンスは、トピックセンテンスを支える客観的な事実・データのことを差し、通常、2〜3行で構成されます。その1行1行が、異なるアカデミックジャーナルやニュース記事の文献・インタビューなどの引用やパラフレーズから構築されます。出典を明らかにする必要性と、自分の意見ではないという点において、客観的といえるでしょう。
アナリシスは、トピックセンテンスとエビデンスの接続の役割を果たします。結局、何が言いたいの?という質問に対し、ズバリと答え、読者になるほど!と思わせることが大事です。トピックセンテンスやエビデンスでは、内容がほとんど決まってしまう一方、アナリシスの一文がまさにアカデミックエッセイのキーセンテンスです。「要するに」、「概して」などのキーフレーズがよく用いられます。エッセイの独自性が現れる一文です。
カウンターアーギュメントは、読み手の反論です。書き手が、生じ得る反論を想像して「このような反対意見をもつ人もいるかもしれないが...」と続けます。短いエッセイだと一文の半分くらいです。反論を自分のエッセイに組み込むことで、より多くの読み手を巻き込むと同時に、エッセイとしての客観性を上げることができます。カウンターアーギュメントのないエッセイは独りよがりと呼ばれても仕方ありません。
リバトルは、カウンターアーギュメントに対する書き手の再反論です。エビデンスとアナリシスの数文によって裏付けたトピックセンテンスの内容をさらに強くサポートします。カウンターアーギュメントとリバトルはセットで考えます。カウンターアーギュメントはデタラメに、または、書き手の都合の良いものだけを選ぶのではありません。むしろリバトルによって、書き手の主張をさらに客観化するものです。
コンクルーシブセンテンスは、トピックセンテンスの再掲です。ここまで来ると一段落も長くなっていますから、リマインドの意味があります。また、次の段落への繋ぎの役割も果たします。
ボディの基本的な構造は以上のとおりです。短いエッセイを想定して文の長さを仮極めしていますが、長いエッセイでも同様です。カウンターアーギュメントやリバトルに一段落を費やすこともあります。設定したシーシスに対して、書き手自らが賛成なのか反対なのかわからない状況が起こり得ます。反論を考えるからです。これがまさにアカデミックエッセイがアカデミックである所以と言われています。
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