2017年6月12日月曜日

数学スキル

僕の専攻は国際開発経済学ですが、正直ここまで数学スキルを要求されるとは思っていませんでした。第1セメスターの必修4科目のうち、3科目は数学が必須です。ミクロ経済学(完全競争理論)、ミクロ経済学(不完全競争理論)、経済数学です。

ミクロ経済学(完全競争理論)は、消費者理論における効用最大化・予算最小化、生産者理論における費用最小化・利益最大化を主に扱います。ここでは、数学の微分が非常に重要です。なお、完全競争理論は、基本的に市場に任せておけば、消費者の効用最大化、生産者の利益最大化が達成され、社会の幸福が最大化されるけれども、外部性や公共財などの市場の失敗に対しては一定の政府の役割があるというものです。僕は20代のときの専攻は法学・政治学だったので、高校以来の微分にも経済学の内容理解にも苦労しました。

ミクロ経済学(不完全競争理論)は、ゲーム理論、不確実性、非対称情報、独占、寡占などを学びます。微分は必要ですが、完全競争理論ほどではありません。むしろ、難解な英語の説明・問題を理解することに苦労しました。不完全競争理論は、完全競争理論があくまで一定の前提条件に基づくものであり、ナッシュ均衡、リスク選好、情報不足、独占、寡占などにより、必ずしも社会の幸福最大化が常に達成されるとは限らないというものです。言い換えれば、市場は必ずしも効率的な結果をもたらすとは限らないということです。数学より英語の読解に苦労しました。

経済数学は、まさに数学です。静学的最適化と動学的最適化の基礎を学ぶことが大きな目的です。上記の二つのミクロ経済学は静学的最適化の問題です。経済数学では、動学的最適化の基本も学びました。動学では微分に加え積分も必要になってきます。消費者も生産者も長期的な視野での効用・利益の最大化を図るため、動学的均衡が重要となるということです。この動学的均衡については、最初はなんのことかさっぱりわかりませんでしたけれども、ファイナルテストの頃にはなんとか理解できるようになりました。

経済学を大学院レベルで学ぶためには数学は必須といえるでしょう。避けて通れません。僕は高校時代から数学は嫌いでしたけれども、成績は良かったんです。微分・積分なんてすっかり忘れていましたけれども、次第に思い出しました。日本の高等学校の教育水準の高さに感謝するばかりです。

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