2017年6月14日水曜日

豪・米・英への大学院留学の違い

もう随分前になりますけれども、豪・米・英のどの国に留学するか迷った時期がありました。世界的に有名な大学は、米・英にありますよね。これに反して僕が豪州に留学を決めた要因は三つあります。英語テストや推薦状などの入学前の要求水準の低さ、卒業後の滞在継続可能性の大きさ、豪大学院の主な研究対象諸国がアジア・太平洋地域であり自身の関心領域と一致していることです。

オーストラリアの大学院のIELTS要求スコアは6.5以上と低く、日本の大学の先生や仕事先の上司の推薦状も不要です。アメリカの有名大学院はTOEFL100以上に加えGREも必要ですし、もちろん、アカデミック・ビジネスの推薦状も必要です。イギリスは有名大学院になるとIELTSスコアを7.5以上要求してきますし、推薦状も必要です。アラフォーで脱サラの僕が海外の大学院を受験するには、オーストラリアの大学院が最も現実的な選択肢だったわけです。

また大学院卒業後、大きな声では言えませんが、オーストラリアで仕事をみつけたいと考えています。オーストラリアは2年間の大学院在籍後、さらに2年間の滞在ビザをもらうことができます。イギリスは卒業後、すぐに日本に戻らないといけないと聞きました。アメリカは1年間の就職準備ビザをもらえるそうですが、就業ビザを取得することが非常に難しいと聞いています。オーストラリアは人口が少ないためか、移民に寛容です。一方、イギリスやアメリカはテロ対策もあり、今後いっそう長期滞在ビザの取得が難しくなると思われます。

さらにオーストラリアの大学院はアジア・太平洋地域の国々を研究対象としています。イギリスの大学院はアフリカ・中東地域、アメリカの大学院は中南米地域をカバーしています。これは、僕の研究関心領域である開発経済学だけでなく、途上国を研究する専攻において共通して言えると思います。やはり距離的・心理的に近い国々の研究を行うことが実利に適っているのでしょう。東南アジアや南アジアに特に関心のある僕にはオーストラリアの大学院が合っているように感じました。

オーストラリアのトップ大学院であるANU Crawford Schoolで半年間学んだいま、僕の選択は間違っていなかったと感じています。Crawford Schoolの教育水準は高いです。カリキュラムも一貫性を持っていて、履修科目相互の相乗効果があります。アラフォーの僕にとって、大学院の名前よりも中身と卒業後の可能性の方が大事です。20代で海外の大学院で学んで、日本に戻って日本企業に就職しようと考えている若者とは違いますから、海外留学の目的を明確に保持することがとても大事です。

なお、QS世界大学ランキング2018で、ANUは世界第20位と評価されました。<https://www.topuniversities.com/university-rankings/world-university-rankings/2018>

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