2017年6月30日金曜日

ブリスベンのクイーンズランド大学(UQ)

留学生にとってブリスベンといえば、クイーンズランド大学(The University of Queensland, UQ)ですね。僕は今、毎日のようにUQ St. Luciaの図書館でブログを書いたり、経済学の本を読んだりして過ごしています。

UQに図書館はいくつかあるようですが、僕は社会科学・人文科学の図書館にいます。まだ新しいのかなぁ、広くて綺麗ですね。UQの学生用のデスクトップの数も多いですし、自分のラップトップを使う自習用デスクも多いです。図書館の2階にはカフェがあり、僕はここのアイスラテがお気に入りです。ミディアムサイズが4.5豪ドルです。

学生がランチなどに集うUnion Complexも綺麗ですね。色んな国々の食事を楽しむことができます。僕は日本食の店の日本風カレーにハマっています。ベジタリアン用ということで、野菜コロッケが入っています。ボリューム満点です。値段は8.9豪ドルです。ランチを10豪ドル以下で楽しめるのはありがたいですね。ポテトフライなども安く販売しています。

学生だけでなく、近隣の人々も楽しめるのが、UQ Lakeですね。UQ St. Luciaのバス停から図書館までの途中にUQ Lakeがあります。様々な種類の鳥がいます。鳥たちが人懐っこくて、近寄ってくるんです。コモドドラゴンみたいな大きなトカゲも見かけました。UQには自然が溢れている感じがします。癒されますね。
Source) Ryo
UQもいい大学の一つなんですよね。オーストラリアのグループ・オブ・エイトの一つですし、世界ランクも50位くらいだと思います。図書館もいいし、Union Complexも楽しめるし、UQ Lakeは癒してくれるし、ダウンタウンも近いし、特に10代、20代の方にはオススメの留学先だと思います。

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2017年6月29日木曜日

キャンベラの食事情

キャンベラでは、残念ながら、美味しい和食を食べることはとても難しいです。外食する場合にも、日本人経営のレストランは少ないですし、自炊する場合にも、日本の食材・調味料を置いているショップが少ないと思います。

外食は、キャンベラセンターの中の回転寿司に挑戦したことがあります。でも、握り寿司と呼べるものはサーモンくらいしかなく、後は、フライものをシャリの上に乗せたものが多かったと思います。食べたいものがほとんどなかったです。値段は一皿3.5豪ドルくらいでした。

自炊に関しては、日本の食材・調味料を入手することが難しいです。ANUの近くに韓国系のアジアマーケットがあったのですが、店じまいをしました。もう一軒、中国系のマーケットがありますが、整理整頓がされていなくて、僕はあまり好きではありません。それに加えて、アパートのコンロが小さく、おまけに虫が出ることがあるので、料理をする気にならないのです。

結果として、僕は韓国料理レストランでよく食べています。店の名前は「Izumi」で、まるで日本人が経営しているかのようですが、韓国人オーナーだと思います。特に、野菜・肉類のバランスが良くヘルシーなビビンバを食べます。価格は11.9豪ドルです。キャンベラで晩御飯を12豪ドル以下で食べられるレストランは少ないです。


韓国料理店「Izumi」
Source) Google Photos
ビビンバは結構美味しいです。また、「Izumi」は、僕のアパートの1階にあって便利なので、平日の晩御飯はほぼ毎日ビビンバを食べています。メジャーリーガーのイチロー選手が毎日カレーを食べているという話を聞いたことがありますが、僕の場合、カレーではなく、ビビンバです。キャンベラでは単調な食生活を送っています。

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キャンベラの住宅事情
キャンベラの朝メシ
都キャンベラの暮らし
キャンベラのナイトライフ
ブリスベンの食事情
ーストラリアのチョコレート菓子「Tim Tam」
「Chatime」ANU店
大型スーパー「Coles」とコンビニでの買い物
「SumoSalad」ANU店
キャンベラ随一のカフェ「greenhouse」
「Sushi Sushi」キャンベラセンター店
キャンベラの中華レストラン「Golden Drum」
キャンベラの韓国スーパー「Emart」

2017年6月28日水曜日

ブリスベンの食事情

外国で暮らすには、生まれ育った土地の食事を確保することが重要だなぁと痛感しています。僕の場合、和食です。ブリスベンには和食レストランが多くありますし、和食の食材・調味料の入手もさほど苦労することがなさそうです。

ブリスベンには、外食の場合、居酒屋、寿司、焼鳥、ラーメンなどがあります。特に寿司の看板は多く見かけます。僕は居酒屋に一度行きましたけれども、まあまあ美味しかったです。刺身も久しぶりに食べました。豆腐サラダが特に良かったですね。和食は生の素材の味を生かした料理なんだなぁと実感しています。外食費は、レストランにも依りますが、妻と二人で1回当たり100豪ドル程度の予算です。
Source) Ryo
しかしながら、外食は、コストの問題もありますし、味付けが濃いめということもあって、結局、自炊に行き着くんですね。アメリカ・オーストラリアと1年3か月の海外生活を送って来て、僕の主食は米だなぁ、と改めて感じています。1日1回米を食べないと落ち着かないんですよ。例えば、温かいご飯と生卵と味噌汁。想像しただけで唾液が出ます。米に加え、うどん、そば、そうめんなどの麺類があればどこでも暮らしていけますね。

自炊するためには、アジア系の食材・調味料が必要になります。中華と韓国の食材・調味料も和食を補完します。ブリスベンで二軒のアジア系のお店を見つけたので紹介しておきます。
− Genki Mart <https://www.yelp.com.au/biz/genki-mart-alderley-3>
      日本人経営のお店のようです。店員さんが日本語で挨拶をしてくれました。日本の調味料を入手できます。小さなお店ですが、日本製のものが並んでいます。
− Yuen's Market <https://www.yelp.com.au/biz/yuens-market-trading-co-fortitude-valley>
      中国人経営のお店のようです。チャイナタウンの入口にあります。交通の便が良いですね。規模が大きく、冷凍の餃子などもあります。

なぜこの二軒がオススメかというと、在庫管理がしっかりしているからです。食材・調味料がきちんと陳列されていますし、店員が在庫をチェックしています。もう一軒アジア食材を扱う店に行ったのですが、賞味期限切れのそうめんが店頭に並んでいました。

インドネシア・ジャカルタで暮らす先輩が、海外生活で重要なのは食事だ、と話していたのを思い出します。アラフォーのせいもあってか、ピザとハンバーガーでは暮らしていけないんです。

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ブリスベンの気候
キャンベラの食事情
ブリスベンのクイーンズランド大学(UQ)
オーストラリアのチョコレート菓子「Tim Tam」
ブリスベンの韓国料理「The Journey」
ブリスベンの韓国料理「Korilla BBQ Restaurant」
ブリスベンの高級レストラン「Summit Restaurant & Bar」
ブリスベンの点心料理「Fat Dumpling」
Gong Cha

2017年6月27日火曜日

ブリスベンの気候

実は今、冬休みを利用して、妻の住むブリスベンに滞在しています。6月10日(土)に来たので、半月ほどここで暮らしていることになります。ブリスベンは暖かいし、空は青いし、都市の中央を流れる川が潤いをもたらしてくれているし、気候だけを考えても暮らしやすい都市ですね。

ブリスベンは温暖です。一年を通じて気温が10℃を下回ることはあまりないようです。真冬の今でも、昼間は汗ばむ陽気ですし、夜も少し暖房を入れる程度で寒さをしのげます。湿度もやや高めだと思います。僕は皮膚が弱いので、あまり乾燥していると、皮膚が荒れるんです。ブリスベンの気温・湿度は僕に合っているように思います。

ブリスベンの空は青くて広いです。都市の中央に少しばかり高層ビルがありますけれども、基本的に高層ビルや高層アパートがないんですね。朝、昼、夕の時間があるときに、空を見ているだけで気持ちがスッキリします。

ブリスベンリバーも、まるで京都の鴨川のように、都市に憩いを与えてくれます。川沿いにはレストランやバーがたくさんあります。週末には芝生の上でたくさんの人が寝そべっています。バーベキューをしている人もいます。生ライブのミュージシャンもいれば、大道芸人もいます。

ブリスベンの雰囲気を醸し出す写真を一枚アップしておきますね。
Source) Ryo
長く住むなら、この気候、この都市がいいなぁ、とボンヤリ考えています。

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ブリスベンのクイーンズランド大学(UQ)

2017年6月26日月曜日

フィリピン・セブのIELTSイントラクターGI

フィリピンのセブ島は、リゾート以外にも英語研修で有名です。特に日本資本と韓国資本の英語学校がたくさんあります。僕は2014年末から2015年始にかけて、日本資本の英語学校に行ってきました。その際、知り合ったフィリピン人講師の一人でIELTSイントラクターの資格を持つGIには、2年半が経つ今も、個人的にオンラインで教えてもらっています。
Source) Google Maps
日本で仕事を持っていたときは、彼女から平日夜に25分間のレッスンを受けていました。現在は週末に50分間連続(25min*2)のレッスンを受けています。僕が引越しや大学院の試験などで忙しいときはパスしますし、GIの方も2015年からの2年半の間に赤ちゃんを出産するときにはパスするなど、お互いにフレキシブルです。レッスンはスカイプで行われます。

レッスンの内容は、IELTSのスピーキングです。彼女はどこから仕入れているのかわかりませんが、問題を豊富に持っています。彼女が出す Part 1, Part 2, Part 3 の問題を25分間なり50分間なりひたすら答え続けます。今はIELTSを受験していないのですが、IELTSの問題にロジカルに答える訓練が普段の生活や大学院の授業に役立つと思って続けています。

気になる授業料は格安です。僕が交渉した訳ではなく、GIの方から提示した料金です。25回のレッスン料を West Union という国際送金システムを用いて前払いしています。彼女のビジネスは第三次産業、頭脳を用いたサービス業に当たるので、もっと授業料が高くてもいいとは思うのですが、わざわざ僕の方から引き上げることは提案していません。

GIとの個人契約開始のときは正直、大丈夫かなぁ? と不安でした。まだ日本に住んでいた頃、フィリピン国内のインターネット接続が悪くてレッスンを受けることができずにストレスを感じたこともありました。日本からアメリカ、オーストラリアへ転々としてきた今では、なぜ僕は日本にいたときにあんなにイライラしたのだろう? と不思議に思います。

フィリピン・セブのIELTSイントラクターGIとのレッスンはいつまで続くのでしょう? 楽しみです。同時に、彼女たちの生活環境を良くしてあげたいという気持ちも持っています。

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IELTS
IELTSスコアを留学水準のOverall6.5以上に上げる方法

2017年6月25日日曜日

IELTSスコアを留学水準のOverall6.5以上に上げる方法

IELTSは、オーストラリアで永住権を獲得するためにも必要なテストです。以前、「IELTS」でもお話ししましたが、僕のベストスコアは2016年5月のOverall7.0です。はっきり言って大したレベルではありません。今日はオーストラリアの有名大学やイギリスの二番手大学を受験できるOverall6.5を取るための方法を紹介したいと思います。(1)勉強時間、(2)教材、(3)学習順序、についてです。

(1)勉強時間
 IELTSのスコアを上げたいのであれば、まず勉強時間を確保しましょう。学生と違って、仕事を持っている人にはなかなか難しいことですが、これができなければ、何も始まりません。
 僕は2015年12月にOverall6.5(各科目6.0以上)のANU要求水準をクリアしたのですが、2015年10月から2016年3月の半年間は、会社を17:30pmに退社し、軽く夕飯を食べて、18:30-21:30pmの3時間は英語学校で勉強し、22:30pmに帰宅後30分のスピーキング用オンライン学習を継続していました。週末は英語学校の開いている11:00am-19:00pmの間は少なくとも勉強していました。
 日本では会社からいろんなリクエストがあると思います。残業、飲み会など。けれども、自分にとって優先順位が高いことは何かということを真剣に考えてみてくださいね。

(2)教材
 教材は自分がちょっと難しいなと思うレベルがいいと思います。簡単過ぎても、難し過ぎても、実力を伸ばすのに効率が悪いです。
 ちょっと難しいなと思うレベルが、IELTSの公式問題集や過去問に辿り着けば、もうOverall6.5は目前だと思って良いでしょう。
 IELTSの公式問題集や過去問を何度も繰り返し解きましょう。

(3)学習順序
 「読む」「聞く」はインプット、「書く」「話す」はアウトプットの技能です。まずはインプットの力を6.5-7.5を常に取れるレベルに上げましょう。
 「読む」と「聞く」では、まず先に「読む」力をつけましょう。読めないスピードの音を聞くことはできません。
 インプット系のスコアが安定してきたら、「書く」技能をつけましょう。IELTSの公式問題集と過去問に何度もトライしてみてください。変なオンライン教育などに手を出す必要はありません。問題が悪いのでお薦めできません。アカデミックライティングの経験のある日本人講師を見つけて、意見をもらって修正を重ねてみてください。
 「話す」技能は最後です。これも公式問題集と過去問の問題のトピックについては全て答えることができるよう、メモを作成するのが良いでしょう。決して暗記するのではありません。スピーキングの構造はライティングと同じです。結論、理由、具体例を言えれば十分です。


 僕のクラスメイトにはIELTSでOverall8.5取っている人もいます。出願可能スコアが大学院で学ぶための十分条件ではないことを認識して、ひたすら勉強を継続しましょう。階段状ではありますが、勉強時間に比例してスコアは伸びるはずです。

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2017年6月24日土曜日

ANU Crawford School (経済系) 1セメ試験スケジュール

前回、1週間のタイムテーブルをANU Crawford School (経済系) 第1セメスター時間割」で紹介しましが、今日は、第1セメスターの試験スケジュールを紹介したいと思います。① 前半(Week1-6)、②ティーチングブレイク、③後半(Week7-12)、④ファイナルテスト、4つの期間に分けることができます。

① 前半 (Week1-6)
レクチャーの難易度は緩やかなテンポで上がって行きます。クイズ、テストはまだ少ないです。

                   経済数学  ミクロ(完全競争) ミクロ(不完全競争) 開発経済理論
Week1 
Week2 
Week3                                       Quiz 1
Week4                      Quiz 1
Week5   Quiz 1                   Quiz 2
Week6               Mid-term

② ティーチングブレイク (2 weeks)
名前のとおり、先生のためのブレイクで、学生は後半のクイズ、テスト、エッセイのために勉強し続けます。

③ 後半 (Week7-12)
レクチャーの難易度は急激に上がり、中間テストの結果が返ってきたり、毎週のようにクイズが出され、一番ストレスがかかる時期です。エッセイの〆切もあります。

                   経済数学  ミクロ(完全競争) ミクロ(不完全競争) 開発経済理論
Week7   Mid-term      
Week8                    Quiz 2
Week9                                       Quiz 3
Week10    Quiz 2
Week11                                     Quiz 4
Week12                     Quiz 3                     Essay Deadline

④ ファイナルテスト
食事と風呂トイレ以外の時間はひたすら勉強です。詳しくは「数年ぶりの徹夜」をご一読ください。

<点数の配分>
経済数学 : Quiz 1: 7.5%,  Mid-term: 25%, Quiz 2: 7.5%, Final: 60% (Quiz 1& Mid-term are redemptive).
ミクロ経済学(完全競争理論) : Quiz 1: 5%, Quiz 2: 5%, Mid-term: 30%, Quiz 3: 5%, Quiz 4: 5%, Final: 50%.
ミクロ経済学(不完全競争理論) : Quiz 1: 10-13.33%, Quiz 2: 10-13.33%, Quiz 3: 10-13.33%, Final: 70-60% (If the scores of Quiz 1-3 are better than that of Final, the share of Quizzes increases).
開発経済理論 : Essay: 50%, Final: 50%

なお、当然のことながら、クイズ、テスト、エッセイ提出は、通常のレクチャー、チュートリアル、コンサルテーションの合間を縫って実施されます。(「レクチャー、チュートリアル、コンサルテーションの違い」も参照ください。)

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2017年6月23日金曜日

インドの友人PR

インドの経済系同期が5人いるとオーストラリア国立大学(ANU)の国際性」で紹介しましたが、そのうちの一人PRは、推定年齢20代半ばの女性のクラスメイトです。若いのに落ち着いているなぁ、というのが第一印象でした。PSP(プレセッショナルプログラム)のときに他のクラスメイトも含めてランチを一緒に食べたのがきっかけで親しくなりました。今日はPRの話をしたいと思います。

あるレクチャーの前に彼女がヨーグルトを食べていたので、「美味しそうだなあ」と言ったら、「一緒に食べよう」と彼女が持っているスプーンを僕に差し出します。僕はちょっと戸惑って、「日本ではスプーンを男女でシェアするのはちょっと embarrassing なんだ」と言いました。そしたら彼女は「次回からスプーンを二つ持ってくるよ」と答えてくれました。

しばらく経って、彼女がランチタイムに手作りピラフを食べようとしていたときのことです。僕はいつものバナナとリンゴを買い忘れてしまい、「ランチを忘れてきた」とぼやいていました。そうすると、PRは「ピラフを多めに作ってきたのでシェアしよう」と言ってくれます。そして、スプーンを二つ取り出すではありませんか!ピラフはとても美味しかったです。

そのうえ、彼女は数学が得意なんです。数学に手こずっていた僕は、PRに「教えてくれ」と正直にお願いしました。PRは快諾してくれました。キャンベラ郊外に住んでいるにも関わらず、週末にバスで大学図書館まで出てきてくれて、丁寧に教えてくれました。彼女自身にも勉強時間は必要だと思うのですが、忙しそうな雰囲気は全くありません。「ありがとう、感謝してるよ」というと、「友達じゃん」という返事。教えてもらったのは一度や二度ではありません。

優しくて頭のいいインドからの友人PR。PRは自分が忙しくても僕を含めて他のクラスメイトに丁寧に接しています。自分のことで精一杯、いつも忙しそうな先進国の人々を僕はたくさん見てきました。僕自身もその一人です。大事なことを気づかせてくれているという良い意味で、彼女からカルチャーショックを受けています。
Source) Google Maps

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パプアニューギニア(PNG)の友人たちの共通項
計量経済学の共同アサインメント

2017年6月22日木曜日

パプアニューギニア(PNG)の友人たちの共通項

前回、オーストラリア国立大学(ANU)の国際性で、パプアニューギニア(PNG)の経済系同期クラスメイトが4人いると紹介しました。政治系と環境系を合わせると、PNGからの同期はもっと多いです。ANUに来るまで仕事でもプライベートでもPNGとの接点は全くありませんでした。調べてみると、PNGはインドネシアに隣接していますけれども、オセアニアに属するんですね。今日は彼らの共通項を紹介したいと思います。

(1) まずは日光を浴びよう、自然を感じよう。
 レクチャー中に休憩時間があります。まだまだ英語に慣れない僕は1時間レクチャーを聞いていると脳の疲労を感じます。そんなとき、僕は外に出て日光を浴びリフレッシュするようにしています。ふと周りを見渡すと僕と同じようなクラスメイトがちらほら。よく観ると、PNGからの友人の多くがフラッと何をするでもなく辺りの景色を眺めています。近寄って話すと彼らも日光を浴びるとのこと。好きというより、当たり前、日常的なことだと話していました。

 また、あれはファイナルの直前でみんながストレスを感じていたときのこと。僕はチュートリアルの合間にやはり外に出て休憩しようとすると、PNGの友人RHがぶらぶら散歩しています。彼女の頭に白く丸いものがついているので、僕は彼女に何かついているよ、と取ってあげようと近付くとそれは小さな白い花びらでした。どうやら彼女は自分でその花びらを採って髪飾りにしていたようです。彼女は照れ笑いをしながら、「PNGでは疲れたときには自然と接するの。」と話してくれました。

(2) ゆっくり、じっくり、焦らない。
 セメスター前半の6週間が終わったところでティーチングブレイクがあるのですが、その際、PNGの友人ANは奥さんとまだ小さな子供に会いにPNGに一時帰省しました。その直後のことです。ANが学校に来なくなりました。中間テストを受けるため登校してきた彼に「どうしてたんだ?大丈夫か?」と尋ねると、「家を出ようとすると疲れを感じて学校に行く気がしないんだ。家で過ごしている。」と話してくれました。ちょっとした抑うつ状態かなぁと思っていたのですが、しばらくするとまた学校に来るようになりました。「心配してたぞ。」と言うと、彼は照れ笑いをしていました。

 また、ティーチングブレイクの初日だったでしょうか、15人くらいのクラスメイトと少し飲んだ後、ANとフィジーからの友人ILと3人でキャンベラのナイトパブにさらに飲みに行きました。ILが飲ませ上手で、たまたまパブのハッピーアワーと重なったのか、生ビール1パイント3.0豪ドルだということで、頼んでもいないのに、ガンガン生ビールを注文します。飲みながら踊ったこともあり、ANと僕はヘロヘロになりましたANは翌日、早朝のフライトでPNGに戻る予定だったのですが、起きられなかったようです。彼はフライトを数日ずらすことになりました。僕は「ごめん。」と伝えましたが、彼は「予期せぬことは起きるものだ。僕たちは楽しい時間を過ごしたじゃないか。」と逆に慰めてくれました。

(3) オーストラリア大陸はもともと俺たちのもの。
 PNGの友人3人とアパートが近いので、大学院から帰宅するために一緒に歩いていたときのことです。PNGがオーストラリアの植民地だった話や、1975年に独立した話、一人当たりGDPが2000ドルくらいの話などを語り合っていました。どこからこの話になったのか忘れましたが、PNGの友人の一人が「オーストラリア大陸はもともと俺たちのものだ。」とつぶやきました。残りの二人も小さく頷いています。それまでの話の内容から、僕は彼らの気持ちを理解できたと思います。
Source) Google Maps
 彼らは自然を大事にし、常に穏やかで、歴史を長い時間軸で捉えていて、僕は彼らからアジア的なものを感じます。今の日本、韓国、中国の東アジアの国々の人々よりPNGの人々の方がアジア的かもしれませんね。

 まだまだブログにはアップできない内容の話もあるのですが、今日はこの辺にしたいと思います。PNGの友人たちとの関係を今後も大事にしてゆきたいと思います。

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インドの友人PR
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2017年6月21日水曜日

開発経済学の最重要課題:「Institutions (制度・慣行)」

僕は日本の大学で経済学専攻ではなかったこともあり、日本の経済学界の動向を全く知りません。もしかしたら、日本とオーストラリアの学界では考え方が違うのかもしれませんが、今日は、ANUで学んだ開発経済学の最重要課題である Institutions について整理してみたいと思います。Institutions の正確な日本語訳を知りませんが、「制度・慣行」と訳するのが妥当だと考えています。

なぜ発展途上国において Institutions が重要かというと、これがしっかりしていないと、政治の腐敗と取引コスト高に繋がるんです。政治の腐敗という意味では、政府内の政治家・官僚には贈収賄の機会が多くあります。彼らが賄賂に手を染めると、政策の予測可能性が著しく低下します。政策がコロコロ変わったり、行政の現場で政策の効果が減殺されるかもしれないからです。その結果、少なくとも長期的には海外の投資家や多国籍企業はその国への投資を控えるようになります。

取引コストは、明示的には不動産業者や会計士、弁護士などの手数料、暗示的にはもう少し広い概念で、法治主義、私有財産の保護、有限責任、契約履行の確実性などです。前者は財・サービスの生産者・消費者の経済活動に要する実費用という意味において、後者は生産者・消費者の経済活動に要する時間コストという意味において、それぞれ明示的・暗示的です。これら取引コストが高くなると経済活動が停滞し、市場が機能しなくなることは容易に想像できると思います。

一言でいえば、Institutions には健全な競争市場の枠組みを調える機能があるということでしょう。しかし、興味深いことに、ミクロ・マクロ経済学の前提では、政治の腐敗はもちろん、取引コストもゼロとされています。つまり、発展途上国のミクロ・マクロ経済政策が意図する効果を生じない主な理由の一つはこの Institutions だということです。


日本で暮らしていると意識することが少ない Institutions のクオリティ。発展途上国では最重要課題なんだなぁ、ベターな経済政策を実行しようとしても前提段階で躓くんだなぁ、第1セメスターの開発経済学理論を通じて腑に落ちた内容のひとつです。

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2017年6月20日火曜日

ANU Crawford School (経済系) 第1セメスター時間割

今日は、ANU Crawford School (経済系) の第1セメスターの時間割を紹介したいと思います。下の表をご覧ください。僕の時間割です。人によってチュートリアルの時間帯は変わります。

月曜から木曜日の朝までレクチャーが集中しているのがわかります。そして、木曜日の午後から金曜日にかけて、チュートリアルとコンサルテーションが集中しています。

木曜と金曜日は特に忙しいため、ランチを Crawford School のカフェで摂って、少し贅沢していました。10豪ドルのビーフサンドウィッチとカプチーノのセットです。


Source) Ryo

一週間の前半は楽そうに見えるかもしれませんが、レクチャーとチュートリアル双方の予習・復習を考えると土日を含めても時間は足りません。セメスターの後半に入り、クイズや中間テストが増えてくると、教科書を読む時間も足りなくなります。

一番の問題は、レクチャーの内容よりチュートリアルの課題が難しく、チュートリアルの内容よりテストの問題が難しいことです。チュートリアルの課題でさえ、事前に解くことは難しいので、クイズやテストは非常に難しく、自分の能力のポテンシャルを引き出されているなあと嬉しく思う一方、かなりの勉強量が必要となります。

とはいえ、学生は学生。先生に質問し放題ですし、先生が設問の答えを教えてくれるわけですから、自分で課題を設定し解決しなければならない仕事と違って、楽といえば楽ですね。第2セメスターもたくさん質問をして粘ってゆきたいと思います。

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2017年6月19日月曜日

レクチャー、チュートリアル、コンサルテーションの違い

ANU Crawford School の1週間の授業体系を説明したいと思います。1週間は、4科目のレクチャー、チュートリアル、コンサルテーションから構成されます。他のオーストラリアの大学院や、イギリス・アメリカの大学院とは違うのかもしれません。

レクチャーとは、講師(レクチャラー)が自らが作成したレクチャーノート(PPT資料)に基づいて講義を行うものです。履修科目によって、2h*1/weekもあれば、1.5h*2/weekや1h*2/weekの場合もあります。講師は、教授からポスドクまでの立場の人々が担います。比較的大きな教室で行われます。

チュートリアルとは、宿題です。ANU Crawford School では毎週チュートリアルの課題があり、その課題の解決方法を教えてくれるチュートリアルの時間が各科目について 1h*1/week あります。チューターは通常 PhDコースの学生が担当しています。同じ科目のチュートリアルにいくつかのコマがあり、学生は時間帯を選択できます。教わる内容は同じです。比較的小さな教室で行われます。

コンサルテーションとは、個別質問タイムです。通常チューターが 1h*1/week 都合のいい時間を設定します。ときには、講師がコンサルテーションを行うこともあります。チューターのコンサルテーションはチュートリアル、講師が行うコンサルテーションはレクチャーに関するものというのが原則です が、チューターにレクチャー関連の質問をしたり、レクチャーにチュートリアル関連の質問をしたり、ということも実際にはよくあります。コンサルテーションも小さな教室や PhD の学生の部屋で行われます。

ANU では、全てのレクチャーが録画されていますし、全てのチュートリアルも回答やヒントをアップロードしてくれます。つまり、学校に行かなくても在宅での勉強が可能です。

実際ほとんど大学院に来ない学生もいますが、僕自身は、生活リズムをつかむため、全てのレクチャーとチュートリアルに出席していますし、コンサルテーションも自分の理解が不足している点をみつけて、質問にいくようにしています。僕にとっては、録画はあくまでレクチャーの内容を再確認するための保険です。

2017年6月18日日曜日

数年ぶりの徹夜

ANUでの第1セメスターは、5月26日(金)まで通常どおりの講義(レクチャー)、チュートリアル、コンサルテーションがあって、6月1日(木)から17日(土)までの2週間強が最終テスト期間でした。最終テストは、1日(木)にミクロ経済学(不完全競争理論)、6日(火)にミクロ経済学(完全競争理論)、7日(水)に経済数学、8日(木)に開発経済学理論がありました。6〜8日の三連チャンはきつかったです。どうしても時間が足りなくて、7〜8日にかけて数年ぶりに徹夜することになってしまいました。

徹夜の原因は、5月26日から6月上旬の4科目のファイナルまでの準備時間が足りないことです。各科目とも、12週間分のレクチャー、チュートリアルと過去問の範囲をファイナルのために勉強します。前倒し気味に準備をしていたつもりではあったのですが、最終日の開発経済学理論の準備が足りなくなってしまいました。南アフリカからの友人はファイナルの予定変更を大学院側に申し入れしていました。3日連続は無茶だと。残念ながら大学院側は考慮してくれませんでした。

徹夜は20代に仕事を始めて3年間くらいはよくありましたけれども、当時の勤務先に労働基準局がガサ入れしてからは、勤務先の労働時間管理が厳しくなって、残業したくてもできないような状況になりました。3年前くらいだと思うのですが、当時の勤務先で、〆切にどうしても間に合わないということで、金曜日の朝9時から土曜日の昼1時まで働き続けました。徹夜はそれ以来数年ぶりです。

今回の徹夜の効果は、まだ結果が発表されていないのでなんとも言えませんが、ファイナルの手応えはありました。正直なところ、徹夜をしてもまだ勉強が足りないなぁと感じていたので、その割にはよくできたと思います。開発経済学理論は分厚いテキスト丸ごと一冊を12週間で読破・理解するという、ちょっと無理を要求する科目でした。

アラフォーですし、徹夜による身体への影響を心配してくださる方もいるかもしれませんが、普段よく寝ていましたので、一晩限りの徹夜によってフラフラになるようなことはなかったです。一晩くらいならまだなんとか耐えられるなという実感を持ちました。適切なタイムマネジメントによって徹夜なんてしないで済むのが一番ですけれども。

留学のストレスマネジメントの方法として、食事・運動・睡眠の三つを挙げる医師や医療機関が多いです。僕は食事と睡眠の二つは不足しないように心掛けています。インドからの友人は残り3週間のタイミングで、睡眠を削る、と言いましたけれども、僕はそれは真似できないなぁと話していました。

この冬休みの間、第1セメスターの運動不足でちょっと太ってしまった体を引き締めるべく、エクササイズと食事の節制に最善を尽くそうと思います。

2017年6月17日土曜日

留学エージェンシーの活用について

今日は東京や大阪などにある国内の留学エージェンシーについて、コメントしたいと思います。僕は、ICC国際交流委員会 <http://www.iccworld.co.jp/> ともう一社にお世話になりました。留学エージェンシーの活用方法にも色々あるように思います。

留学エージェンシーはあくまで留学のための情報源と僕は捉えました。主に、エージェントとの1対1のカウンセリングと、希望留学先担当者の小規模セミナーにのみ参加しました。

1対1のカウンセリングは留学やビザに関する情報をもらうためにお願いしました。その効果は一人ひとりのエージェントの知識に依ると思います。僕の経験では、ICC のエージェントの方がもう一社のエージェントよりもオーストラリアについての知識を持っていたように感じました。特に担当エージェントが豊富な知識を持っていたと思います。ラッキーでした。

希望大学セミナーは大学院卒業後の就職に関する情報を入手するために参加しました。かなり留学先を絞り込んだ段階で、ICC ともう一社の両方に参加しました。セミナーは大学の担当者が来日して開催していましたが、一つの大学のセミナーを2日間続けて参加しましたら、大学担当者が同じ人で、顔を覚えてもらうことができました。

他方、大手の留学エージェンシーはIELTS用プログラムも持っています。しかし、僕は他の英語学校で良い先生にすでに出会っていたので、留学エージェンシーのIELTS用プログラムには参加しませんでした。

IELTS、TOEFLのスコアアップは自分で英語を勉強する以外にないと僕は思います。良い先生、良い学校というのも、自分の学習モチベーションを維持・向上させてくれるという意味において「良い」のだと考えています。

また、エージェンシーの大学院への出願手続の代行も利用しました。時間の節約と大学の信用をもらうという意味において、オーストラリアへの留学では主流のようです。(イギリス・アメリカへの留学では自分で出願手続を行うことが主流だと思います。) ちなみにANUへの出願手続の代行が可能な留学エージェンシーは ICC 以外にないと思います。

留学エージェンシーからの情報はほとんど無料で入手することができますし、出願手続の代行も無料で行ってくれます。

2017年6月16日金曜日

オーストラリア国立大学(ANU)の国際性

オーストラリア国立大学(ANU)は国際性豊かです。Times Higher Education 2017 では、国際性で世界第7位にランキングされました。<https://www.timeshighereducation.com/features/worlds-most-international-universities-2017#> 学生だけでなく、教授や講師、スタッフも世界中から集まって来ています。大学がインターナショナルであることのメリットは、様々な国の視点で議論できることや多様な英語に触れることなどを通じて、新たな気付きやアイデアが出易いことだろうと思います。

ANU Crawford Schoolには、経済系・政治系・環境系の三つの専攻分野があります。僕は経済系ですが、2017年の第1セメスターに入学した同期の出身国を列挙してみます。同期は22か国68名です。

1. China: 24
2. Indonesia: 10
3. India: 5
4. Papua New Guinea: 4
4. Sri Lanka: 4
6. Australia: 3
7. Bhutan: 2
7. Philippines: 2
9. Cambodia, Fiji, Japan, Kiribati, Myanmar, New Zealand, Nigeria, Oman, Pakistan, Paraguay, South Africa, South Korea, UK, Zambia: 1 person for each country

先進国と途上国、奨学金受給組と自腹組などにグルーピングできるのですが、先進国出身だから優秀だとか、そういうのはあまり感じないですね。特に中国とインドからの学生は途上国出身ですけれども、奨学金をもらっていないので、良い成績を取ることに本気です。インドネシア、フィリピンは政府から来ている人が多く全般的に優秀です。

残念ながら、2017年第1セメスター同期だけでなく、Crawford School全体を見渡しても、日本人学生は僕だけです。事務スタッフに日本人が一人いると聞いたのですが、まだ会ったことがありません。世界人口70億人のうち、日本人は1.2億人。2%弱ですね。マイノリティーであることを実感しつつ、偏った人たちとばかり付き合うのではなく、様々な国籍の人たちと付き合うように努めています。

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2017年6月15日木曜日

首都キャンベラの暮らし

いま僕はオーストラリアの首都キャンベラに住んでいます。首都と言っても小さな町と言った方が適切かもしれません。キャンベラは、アメリカのワシントンDCと同様、政治・行政的機能のみを有し、商業的機能を持たない町なんです。治安は非常にいいですよ。大通りであれば夜中でも女性が一人で歩けます。

僕はキャンベラ中心部(Civicと呼びます)とANUの間に住んでいます。CivicとANUは隣接していますので、かなりの都会に住んでいることになります。一般の人が買い物をするキャンベラセンターまで歩いて10分、ANUの学生が買い物をするUnion Courtまで歩いて5分、非常に便利です。24時間オープンのChifley図書館にも歩いて5分です。

キャンベラセンターは大型ショッピングモールで、キャンベラで入手できる全てのものがここに集結しています。Targetのようなスーパーマーケットも入っていますし、G-Starのようなブランド衣服店、Appleストア、多国籍のレストランも多くあります。

ANUのUnion Courtには、生協、銀行、学生向けレストラン、中古自転車販売店、文房具などを販売するコンビニエンスストアがあります。でも残念なことに、夏休みや冬休みは休業になるんですよね。Union Courtだけでなく、ANU周辺のほとんどのレストランも休みの間は休業します。

Chifley図書館には大変お世話になっています。一日に2回行くことも珍しくありません。夕食前と夕食後です。画面サイズの大きなデスクトップコンピュータが多く設置されていますので、大量の電子書籍・論文を読む必要のあるエッセイを書く際などには特に便利です。

キャンベラは、シドニー、メルボルン、ブリスベンなどの商業都市に比べ、小さな町です。シドニーに住んでいた友人は「キャンベラには何もない」と言いますけれども、逆に「足りないものも何もない」のです。キャンベラセンター、Union Court、Chifley図書館があれば、二年間の大学院生活には十分です。ただし、様々な経験をすべき20代の若者にはあまりオススメの町ではありません。ここキャンベラは本当にストイックに勉強だけをする場所なのです。

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2017年6月14日水曜日

豪・米・英への大学院留学の違い

もう随分前になりますけれども、豪・米・英のどの国に留学するか迷った時期がありました。世界的に有名な大学は、米・英にありますよね。これに反して僕が豪州に留学を決めた要因は三つあります。英語テストや推薦状などの入学前の要求水準の低さ、卒業後の滞在継続可能性の大きさ、豪大学院の主な研究対象諸国がアジア・太平洋地域であり自身の関心領域と一致していることです。

オーストラリアの大学院のIELTS要求スコアは6.5以上と低く、日本の大学の先生や仕事先の上司の推薦状も不要です。アメリカの有名大学院はTOEFL100以上に加えGREも必要ですし、もちろん、アカデミック・ビジネスの推薦状も必要です。イギリスは有名大学院になるとIELTSスコアを7.5以上要求してきますし、推薦状も必要です。アラフォーで脱サラの僕が海外の大学院を受験するには、オーストラリアの大学院が最も現実的な選択肢だったわけです。

また大学院卒業後、大きな声では言えませんが、オーストラリアで仕事をみつけたいと考えています。オーストラリアは2年間の大学院在籍後、さらに2年間の滞在ビザをもらうことができます。イギリスは卒業後、すぐに日本に戻らないといけないと聞きました。アメリカは1年間の就職準備ビザをもらえるそうですが、就業ビザを取得することが非常に難しいと聞いています。オーストラリアは人口が少ないためか、移民に寛容です。一方、イギリスやアメリカはテロ対策もあり、今後いっそう長期滞在ビザの取得が難しくなると思われます。

さらにオーストラリアの大学院はアジア・太平洋地域の国々を研究対象としています。イギリスの大学院はアフリカ・中東地域、アメリカの大学院は中南米地域をカバーしています。これは、僕の研究関心領域である開発経済学だけでなく、途上国を研究する専攻において共通して言えると思います。やはり距離的・心理的に近い国々の研究を行うことが実利に適っているのでしょう。東南アジアや南アジアに特に関心のある僕にはオーストラリアの大学院が合っているように感じました。

オーストラリアのトップ大学院であるANU Crawford Schoolで半年間学んだいま、僕の選択は間違っていなかったと感じています。Crawford Schoolの教育水準は高いです。カリキュラムも一貫性を持っていて、履修科目相互の相乗効果があります。アラフォーの僕にとって、大学院の名前よりも中身と卒業後の可能性の方が大事です。20代で海外の大学院で学んで、日本に戻って日本企業に就職しようと考えている若者とは違いますから、海外留学の目的を明確に保持することがとても大事です。

なお、QS世界大学ランキング2018で、ANUは世界第20位と評価されました。<https://www.topuniversities.com/university-rankings/world-university-rankings/2018>

2017年6月13日火曜日

キャンベラの朝メシ

朝メシは、毎朝散歩がてら買出しに行って食べることにしています。当初はSUBWAYでサンドウィッチを購入していましたが、最近はスーパーマーケットで焼きたてのパンとフルーツを買うようになりました。

SUBWAYのサンドウィッチは安くてボリュームがあるんです。4.5豪ドルあれば、日替わりサンドウィッチを食べることができます。4.5ドルの安さで朝食を摂れる場所は他にないですね。量もハーフサイズで日本人の僕には十分です。特にターキーはあっさり味で好みです。ミートボールもこってり味が食べたいときには頼みます。野菜も結構補えます。トマト、オニオン、オリーブ、ピクルスは欠かさず注文していました。

僕のアパートの近くのSUBWAYは、TonyとEricaが夫婦でフランチャイズ経営をしています。Tonyはオーストラリア人と日本人のハーフで、母親の名前はえりこ、奥さんの名前とよく似ていると笑って話していました。お母さんはキャンベラの日本大使館で働いているそうです。Ericaは白人のオーストラリア人で働き者です。サンドウィッチを作る手際のよさには感心させられるばかりです。もちろん、TonyとErica以外にも、アルバイトの店員もいます。

TonyとEricaとも仲良くなったんですが、3ヶ月以上ほぼ毎朝SUBWAYのサンドウィッチを食べていたら、突然、食べられなくなってしまったんです。飽きちゃったんでしょうね。

アパートの目の前にあるスーパーマーケットで、焼きたてのパンを1〜2つとリンゴ、バナナの果物を買って食べるようになりました。パンは一つ2〜3ドル、リンゴもバナナも一つ1ドルくらいです。全部で5〜7ドル程度かかって、SUBWAYよりコスト高なんですけど、東京・大阪で毎朝モーニングセットを食べている感覚ですね。ホットコーヒーとオレンジジュースはアパートで自分で注いでいます。

僕が、白人のオーストラリア人のような食生活を送ることができるか?と考えてみたら、やっぱり今更無理なんですね。SUBWAYに飽きちゃって、焼きたてパンに落ち着いたのは、日本に近い朝食スタイルに戻ったということでしょう。外国での一人暮らしは朝メシひとつにも苦労します。

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2017年6月12日月曜日

数学スキル

僕の専攻は国際開発経済学ですが、正直ここまで数学スキルを要求されるとは思っていませんでした。第1セメスターの必修4科目のうち、3科目は数学が必須です。ミクロ経済学(完全競争理論)、ミクロ経済学(不完全競争理論)、経済数学です。

ミクロ経済学(完全競争理論)は、消費者理論における効用最大化・予算最小化、生産者理論における費用最小化・利益最大化を主に扱います。ここでは、数学の微分が非常に重要です。なお、完全競争理論は、基本的に市場に任せておけば、消費者の効用最大化、生産者の利益最大化が達成され、社会の幸福が最大化されるけれども、外部性や公共財などの市場の失敗に対しては一定の政府の役割があるというものです。僕は20代のときの専攻は法学・政治学だったので、高校以来の微分にも経済学の内容理解にも苦労しました。

ミクロ経済学(不完全競争理論)は、ゲーム理論、不確実性、非対称情報、独占、寡占などを学びます。微分は必要ですが、完全競争理論ほどではありません。むしろ、難解な英語の説明・問題を理解することに苦労しました。不完全競争理論は、完全競争理論があくまで一定の前提条件に基づくものであり、ナッシュ均衡、リスク選好、情報不足、独占、寡占などにより、必ずしも社会の幸福最大化が常に達成されるとは限らないというものです。言い換えれば、市場は必ずしも効率的な結果をもたらすとは限らないということです。数学より英語の読解に苦労しました。

経済数学は、まさに数学です。静学的最適化と動学的最適化の基礎を学ぶことが大きな目的です。上記の二つのミクロ経済学は静学的最適化の問題です。経済数学では、動学的最適化の基本も学びました。動学では微分に加え積分も必要になってきます。消費者も生産者も長期的な視野での効用・利益の最大化を図るため、動学的均衡が重要となるということです。この動学的均衡については、最初はなんのことかさっぱりわかりませんでしたけれども、ファイナルテストの頃にはなんとか理解できるようになりました。

経済学を大学院レベルで学ぶためには数学は必須といえるでしょう。避けて通れません。僕は高校時代から数学は嫌いでしたけれども、成績は良かったんです。微分・積分なんてすっかり忘れていましたけれども、次第に思い出しました。日本の高等学校の教育水準の高さに感謝するばかりです。

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2017年6月11日日曜日

社会科学と人文科学の引用方法の違い

今日はちょっとマニアックなアカデミックライティングの用法についてコメントしたいと思います。社会科学と人文科学の引用方法の違いです。

人文科学では、先行文献を引用する際、 The author states, “… .”」などと直接的に引用することが好ましいとされています。先行文献の表現をそのまま活かそうとするんですね。僕のコミカレの英語の先生がデューク大学文学部出身で、このように指導されました。ジャーナリズムもこれに近いですね。

一方、政治、経済、法律などの社会科学では、直接的ではなく、間接的に引用することが好ましいとされています。「The author describes that …」などとパラフレーズを用いて自分の解釈として表現し直すんですね。ANUにはアカデミックライティングを指導する専門の教官がいるのですが、僕がお世話になっている哲学のPhDホルダーが教えてくれました。

社会科学か人文科学か、専攻によってもスタイルが違うんだなぁ、とアカデミックライティングの奥の深さを実感しています。


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2017年6月10日土曜日

ビバレッジ先生

ノースカロライナのコミカレ生活で、ビバレッジ先生との出会いについて触れない訳にはいきません。年齢は50代半ばでしょうか?ビバレッジ先生には、2016年秋セメスターで、ミクロ・マクロ経済学の両方を教えていただきました。この先生の講義がなければ、僕のANUでの勉強はもっと大変だったでしょう。先生との出会いに感謝しています。

ビバレッジ先生はスコットランド出身ですが、奥さまがアメリカ人なので、渡米しました。もうアメリカでの生活は何十年になるそうです。本当かどうかわかりませんが、今ではパスポートの更新もしていない、と講義中に話していました。まあ、ダラムのようなアメリカの片田舎では、それでもやっていけるだろうと僕も変に納得していました。

彼の講義スタイルは学生を巻き込むとても楽しいものでした。例えば、機会費用の説明において、彼は二種類のチョコレートを手にし、学生に「どちらを選ぶか?」と尋ねます。一つのチョコレートを選んだ学生に、選ばなかったもう一つのチョコレート、これが機会費用だと説明するのです。数学を使わないで経済学の本質を学ぶことができました。

彼の採点方式も興味深いものでした。100点満点のテストなのですが、得点の平方根を10倍して最終得点を計算するのです。例えば、64点の学生は、√64*10=80点となるのです。授業・テストには容赦なく厳しいですが、評価には寛大な先生でした。

先生は二冊の教科書を出版しています。"A Primer on Microeconomics"と"A Primer on Macroeconomics"です。とてもわかりやすい著書です。僕は日本で経済学を独学した経験があるのですが、日本語のテキストを読むよりも、ビバレッジ先生の英語での説明を読む方が数十倍わかりやすいです。残念ながら、現在、日本でこの本を入手することは難しいと思います。この本の翻訳を出版することは僕の夢の一つです。

ビバレッジ先生はアメリカで何十年と過ごしていますが、未だにアメリカが故郷だという感覚はないそうです。パスポートも切れていますし、スコットランドに戻る機会はおそらくないでしょう。せめて、先生もスコッチウィスキーをゆっくり愉しむ時間があればいいのになあと思っています。

2017年6月9日金曜日

ジャーナリズム

話は前後するのですが、アメリカのコミカレで学んだジャーナリズムに関してコメントしたいと思います。ジャーナリストになるつもりはないんですけど、今後の人生において、大いに役立つと思いました。

アメリカでジャーナリズムを専攻して一番良かったことは、事実を客観的に語ることは非常に難しいと実感したことです。インタビューの内容は、誰かが語ったという意味において事実なのですが、自分がそれを文字にしようとするときに、どうしても何らかの意味・解釈を足してしまおうとしてしまうんです。ジャーナリズムの醍醐味ではないかと思いますが、事実だけを繋ぎ合わせて何か意味のあることを示唆するというのは、非常に難しいです。けど面白いですね。

二番目に良かったことは、誰かにインタビューすることに気後れしなくなったことです。アメリカはおろか、日本でもインタビューなんて経験したことがなかったのですが、ジャーナリズムの授業を通じて、英語でインタビューを行う機会が数回ありました。レコーダーとメモ用紙を持参して、スコットランドから来た先生、中国から来ている同級生などにインタビューを行いました。インタビューは他人の時間をもらうので、緊張しますし準備をします。

最後に、ジャーナリズムを専攻したことで、ライティングスキルが上がったと思います。文字数が非常に限られているジャーナリズムでは基本的に本文には形容詞、副詞はつけません。ライティングスタイルがたくさんあることも知りました。僕の先生はAPスタイルを採用していました。日本でもよく知られているAP通信ですね。ジャーナリズムのライティングスタイルはアカデミックライティングとは異なります。例えば、ジャーナリズムでは一段落に二人の発言を同時に載せません。でも、基本的な構造は同じなんですね。イントロ、ボディ、コンクルージョン。ボディは、リスティング、時系列、比較対照、原因結果、のいずれかで繋いでゆく。

僕のジャーナリズムの最終課題のタイトルは"Chinese Students Diffrentiate Themselves from Americans, Admitting the US Education."で、トランプ氏が新大統領に決まったタイミングでもあり好評でした。

使ったテキスト類も記載しておきます。
Harrower, T. (2012). Inside Reporting: A Practical Guide to the Craft of Journalism (3rd ed.). New York, NY: McGraw-Hill Education.
Associated Press Stylebook and Briefing on Media Law. 2015

APスタイルブックはオーストラリアに持って来ています。曜日や時間、肩書などなど、今でも時々、参考にしています。ちょっと古いですけど、2006年版がオンラインで無料入手できますので、URLを添付しておきます。英語の細かい表現方法で迷った方は一つの型としてご活用ください。
<http://www.mdjwebcontent.com/tj/2006_APSTYLEBOOK.pdf>

2017年6月8日木曜日

オーストラリアでの最初の5か月

オーストラリアに来てちょうど5か月が経ちました。ANUでの勉強は予想以上に大変で、ブログのアップデートもろくにできませんでした。今日、やっと第1セメスターのテストが全て終わりました。明日から冬休みです。この間に、今までに起こったことをボチボチ書いてみたいと思います。

19日にキャンベラに到着し、引越しを慌ただしく終え、112日から213日の1か月間、PSP(プレセッショナルプログラム)という第1セメスターの準備勉強プログラムに参加しました。数学、統計学、ミクロ経済学、アカデミックライティング(&プレゼンテーション)ITリテラシーの計5科目を4週間でマスターするという内容です。月曜から金曜日の朝9:00から夕方16:30まで授業がびっしりありました。私は日本の大学時代に経済学専攻ではなかったので、PSPについていくことは本当に難しかったですけれども、この経験のおかげで第1セメスターをなんとか無事にクリアすることができたように思います。

1セメスターは220日に始まり、43日から2週間のティーチングブレイクを挟んで、526日まで12週間のプログラム、そのあと、68日まではファイナルテスト期間でした。経済数学、ミクロ経済学(完全競争理論)、ミクロ経済学(ゲーム理論等不完全競争理論)、開発経済学理論、の計4科目を履修しました。最初はそれほど大変でもなかったのですが、徐々にクイズや中間テストが加わり、必死で勉強せざるを得ませんでした。


ANU Crawford School以外の海外大学院を知りませんが、PSPの数学・ミクロ経済学と第1セメスターの必修4科目の全てがお互いに関連していて、6月のファイナルの頃には、それぞれの科目の知識が他の科目の理解に役立つという良いカリキュラムだったと思います。 ちなみにCrawford Schoolは、経済学、政治学、環境学の3分野の専攻があり、20172月開始のクラスメイトは51か国約120人です。ただし、クラスメイトと言っても、1年、1年半、2年のプログラムと異なる期間の修士課程プログラムを選択しますので、履修科目は人によってバラバラです。これはオーストラリア大学院の特徴ではないでしょうか?日本人は修士・博士課程の生徒の中で僕一人だけです。


この5か月、英語に加え、数学にも大変苦労しましたが、新しい友人の助けもあり、なんとか乗り切りました。


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